雑記

僕が何度も聴き直したTBSラジオの神回11本をご紹介!

2014/10/25 (更新日:)

みんな、ネットやテレビや本もいいけど、ラジオもいいよ!というわけで、僕が特にお気に入りのTBSラジオの神回をご紹介します!

TBSラジオ 神回

TBSラジオはPodcastもきっちり配信してくれるので、放送時に家におらず、ラジオの録音等を忘れていても聴き逃す事はありません。僕はよく通勤中や、一人でドライブ中なんかによくチェックしています。やっぱりたくさん聞いていると自然とお気に入りの回が出来てきて、中には数年に渡って何度も聞き直すようなものもあります!

ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル

2011年11月「車特集 by 安東弘樹」

「好きな事」に対する誰かの熱量がここまで伝わってくるラジオは無い!この回を聞いて安東アナの事が本当に好きになったし、それまで対して車に興味が無かった僕もかなり関心を持つようになりました。

車の運転をしない安東弘樹は無

トイレにも車で行きたいぐらい車が好き

という安東アナ。シフトとギアの感覚や高速道路で感じる浮遊感などの車の運転における魅力や、日本における自動車産業のあり方、これから自動車メーカーはどうなっていくべきかなど、熱く語っています。車に興味の無い方にこそ聞いてほしい!まさに神回です。

2012年9月 ザ・シネマハスラー『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』菊地成孔の粋な夜電波

タマフルの映画コーナーでは面白い新作映画を知る事も出来るのでよく聞きますが、宇多丸によるダメな映画の酷評ぶりも本当に面白い。例えば劇場版ROOKIESや品川ヒロシ監督のサンブンノイチのこき下ろし方も素晴らしかったんですが、個人的にはやはりこの「踊るFINAL」が神回でしたね。

青島、やっと映画やめてくれるってよ

で始まるこの評論、僕が映画制作者だったら絶対最後まで聞いていられません(笑)。

シュールの領域といえるほどひどい脚本

あまりにひどい映画なのでまともに評論できない。"100歩譲ってこれは良しとする"を連発しすぎたため、もはや1万歩離れて双眼鏡のぞいて見ないと語れない

などなど、通勤中に笑ってしまった宇多丸によるパンチラインも多数。僕はこの映画は見ていない訳ですが、このタマフル・シネマハスラー評論を聞いただけでおなかいっぱいでした(笑)。

2012年9月 放課後ポッドキャスト「桐島、部活やめるってよ」

もちろんシネマハスラー本編の評論も最高だったんですが、この放課後ポッドキャストも本当に素晴らしい事が沢山話されていました。「桐島、部活やめるってよ」を見ていない人には分かりにくいところもあるかもですが、学生時代の同調圧力の息苦しさで悩んだ人なら、共感出来る事間違い無しの内容。特に町山智浩さんが会社員時代に感じていた怒りが再燃してしまうところは、爆笑しつつも胸が痛くなる名場面&名言です。

僕はベストセラー連発していたのに、上司に逆らっていたから全然出世できなかった。バカな社長にぺこぺこしてる奴らがどんどん出世して編集長になっていくんだけど、あいつらカラッポだから良い本なんて作れる分けないんだよ。

みんなから白い目で見られても、好きな事を続けるべき。最後にはそれが必ず勝つから。これは奇麗ごとでもなんでも無くて、単純なこの世界の真理だよ。

菊地成孔の粋な夜電波

2011年12月 菊地成孔×近田春夫

待ちに待った豪華な対談。なんでも、家が飲み屋だった菊地成孔は幼稚園ぐらいの頃から近田春夫のラジオを聞いていて、それ以来ずっとファンでありミュージシャンとしても影響を受けてきたのだそうです。僕も週刊文春の近田春夫のコラム「考えるヒット」は欠かさずチェックしていたものの、本人の音楽活動に関してはあまり理解していませんでした。この放送を聞いて、改めて彼の音楽や社会に対する考察の深さに関心させられました。以下、近田春夫の名言のほんの一部。

人間なんて、一日一回ぐらいは自殺したいと思うのが普通。そう思ったら気が楽じゃん

病院に行って、その病名を宣告されるまではその病気じゃないわけじゃん。だからずっと病院に行かなきゃ良いんだよ。人間は病気じゃなくて寿命で死ぬんだからさ

おれも昔、曲出したらパクリだって言われたの。その時は無視してたけどさ。てかあれってただのロックンロールだしね。ロックンロールにパクリもクソもあるかってのが本当の所だよ

2012年6月 菊地成孔のミュージックプレゼント

落涙必至の回。まずそもそも、菊地成孔は音楽に詳しすぎる(笑)。おもむろにアフリカの音楽やチェコの音楽をさらっと紹介してきて、これがまた超名曲揃いなのだ。「粋な夜電波」を聞き始めて一気に僕の音楽観が広がった気がします。この回の終盤では、父との確執に悩むリスナーからの悩みに応えるべく、デューク・エリントンの「Lotus Blossom」をプレゼント。一番好きなジャズのピアノ曲になった。

2011年10月  アントニオ・カルロス・ジョビンと「3月の水」について

2011年の4月にスタートした「菊地成孔の粋な夜電波」。番組の内容についてあれこれ考えていた時に東日本大震災が発生し、菊地成孔どうやって番組をやっていこうかとかなり悩んでいたそうです。

あれこれ考えたけど、結局好きなようにやるしか無いと思った。バカみたいですけどね。僕は"良い音楽"と"面白い話"に関しては宗教的と言っても良い程の信頼がある。それが無いととても生きて行けない世界でぼくは育った

そんな中で一つだけ決めた事があって、それが「最終回に"3月の水"をかける」ということだったそうです。なぜそのようにしたのか、「3月の水」や「イパネマの娘」を作ったアントニオ・カルロス・ジョビンとはどんな人物なのか。そして大衆音楽とは何なのかという、深い話になって行きます。

荻上チキ Session22

荻上チキSession 22「ネット炎上夏祭り2013」中川淳一郎が泥酔で大暴れ

神回としか言いようがない。確実に爆笑してしうので一人で聞く時は周囲の目線に注意して下さい(笑)。中川淳一郎は日本のネット文化に極めて鋭い視点を持っている人物だと以前から思っていて、彼の著作もとても面白く読んでいました。

ウェブはバカと暇人のもの (光文社新書)

凡人のための仕事プレイ事始め

盟友の常見陽平とラジオ共演という事でとても楽しみにしていたのだすが、なんと中川淳一郎が泥酔状態で放送に臨むという予想外の展開に。

今の大学生はすぐにTwitterとかで通報されて大変。俺たちが昔一橋大学の学園祭でやってたことなんて、今だったら内定取り消しじゃ済まない。ステージで裸になって、前転しながらう○こを客席に飛ばしていたりとか、そんなことしていた。そんなの今やったら全国のさらし者のされる

後日「ほとんど記憶が無い」と言っていたので本当に泥酔していたのだと思います。とにかく内容はめちゃくちゃで、一部は放送事故。リスナーから「もう聞かない」という声まで出てしまったそうです(笑)。

文化系トークラジオ Life

2009年5月 「現代の現代思想」 ゲスト:東浩紀

これも多分10回以上は聞き直した。最近は自分のイベントスペースであるゲンロンカフェで話す事が多い東弘樹。この時はゲストとして、しかし気心しれたチャーリー(鈴木謙介)の番組という事で程よい緊張感で話しているように感じる。僕が一番感動したのは、ピーター・シンガーの話を通じて思想の可能性について東浩紀が論じる部分。

「思想や政治というのは、私的利害を超えた所で価値を発揮するもの。その点ではヨーロッパの思想家たちは本当にすごい。それに比べたら、日本の左翼は遥かにレベルが低いというのが僕の考え」

論壇にこもって当たり障りないコメントをするだけの学者や、良い事言った風で何ら現実的な解を示さない批評家を常に批判している東浩紀。哲学や思想に興味があるという人は、試しに聞いてみることをおすすめします!

参考本:福島第一原発観光地化計画 思想地図β vol.4-2

2008年04月 「表現する人、したい人」ゲスト:ライムスター宇多丸

ニコニコ動画やYouTubeが普及し始めた時期、誰もがクリエイターになれる「ような気がする」感覚に陥っていた。そんな空気をちょっと斜めから分析したこの日Life。津田大介さんら、ネット文化に造詣の深い方も多く出演しています。特に印象に残ってるのは佐々木敦のこんな意見。

最近は小説家になりたいという若い人が全然本を読んでいなかったり、音楽をやりたいという人が全然音楽を知らなかったりする。そうやって受容する人がどんどん減っているのに、クリエイター側になりたい人がどんどん増えている

実際には文章や音楽がたいして好きではないのに、「有名になりたい」「かっこ良く思われたい」という気持ちだけが暴走しているという鋭い考察。また、宇多丸もこんな事を言っていました。

DJを始めたいけどどうすればいいのか、とかトラックを作ってみたいけどどんな機材を買えばいいのか、と相談されることがある。これってちょっと違うと思っていて、本当にやりたいやつはそんな事誰かに相談する前に何らかの方法で始めているものだ

今の自分の感性だけで行ける!と思っている人が多すぎる

こんな真剣な議論も多く交わされていたのですが、さすがは宇多丸。チャーリー(鈴木謙介)が呆れてしまうような下ネタ連発ぶりでしっかり存在感を発揮しています(笑)

荒川強啓 デイ・キャッチ!

2014年8月 与沢翼×辛酸なめ子×宮台 真司「愛のキャラバン2014サマー ~愛なのか?金なのか?」

最後はやっぱり宮台真司。こちらをご紹介します。基本的にデイキャッチの宮台真司のコーナー「デイキャッチャーズボイス」は神回率がすごい。全部挙げきれないので、最近印象に残ったこの回をご紹介します。最近また若者の性愛について語る事が多くなっている宮台真司の、与沢翼にたいする距離の取り方がかなり見物。僕は与沢翼という人物についてこの放送でほぼ初めて知ったのだけれど、とても聡明で本当に優秀な人なのだと思った。なんであのような自己演出をしているのか非常にナゾだ。宮台自身も、与沢翼の恋愛観に対して非常に高く評価していて

「なんだ与沢さん、あなたまともだね!

と上から目線のコメント。しかし最終的には

「あなたの彼女の写真を見たけど、そんなにレベル高くない」

というひどすぎるコメント。スタジオの空気が一瞬歪んだのが感じられました(笑)

参考本:私たちはどこから来て、どこへ行くのか

THE TOP 5(ザ・トップ5)

2012年2月 DJ・高野政所と社会学者・宮台真司の奇跡のシンクロ

上のデイキャッチでやめようと思ったんですが、やっぱりこれを紹介しない訳にはいかないと思い直しました(笑)全編にわたって最高なのでとにかく聞いてほしいんですが、特に注目してほしいのは若者の「こまっしゃくれ」問題についての両者のシンクロです。さすが宮台真司という、鋭い意見。

「例えば、深夜にドンキホーテに集まっているような人には、こまっしゃくれたところが全く無い。自分が楽しいと思う事に忠実だし、周囲からの目線を変に気にしていない。でも最近は、"こうやったらイタいと思われるんじゃないか"というのを考えすぎてこまっしゃくれている若者が多い。分からないでもないが、そんな事ばかりしているとムダな時間を過ごしてしまう」

ここから話題は、高野政所が推すインドネシアのダンスミュージック「ファンコット」へ。サブカルチャーにも圧倒的な知識を持つ宮台真司もこれに反応、という素晴らしい化学反応が起きていました。

色々書いてきましたが、ラジオが面白いのはテレビでは出来ないようなマニアックな話が、マニアックな方法で話されているという事だと思いました。僕は車にも関心が無く、ジャズもそんなに聞かなかったんですが、ラジオを通じて大きく見方が変わりました。そして、一見下らなく思える事からも新たな考え方を得る事ができる。 そんな素晴らしいラジオを、みんなもっと聞いて行きましょう!

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